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「バイリンガル」とは何か

よく聞くバイリンガルとは、「二つの国の言葉を話せる人」というだけではありません。 二つの言語を話せるということは、その言語を通じてそれぞれの国の生活や文化、根ざしている考えに触れることができます。その時、「外からみたその国」ではなく、「自分の母国のこと」として捉えられる感覚を持つこと、それがバイリンガルです。国籍の有無は関係なく、その国に混ざりあったとき、その国の人間として物事を考えられるかどうか、当事者としてその国の文化、風俗などを総括して理解しているかどうか、ということです。それはつまり、二つの国の人々と完全に共感し合えるかどうかということになります。
「言葉」は媒介にすぎません。私たちは言葉を通じてコミュニケシーョンをとったり、情報を得たりするものです。ただ言葉を理解するだけでは、バイリンガルではないのです。
その国には歴史があり、それぞれの人が背負う生活があり、信じていることや大切にしていることがあります。それらのことを包括的に自分のものにすることができなければ、バイリンガルではありません。それは「学ぶ」という感覚ではありません。迎合するというわけでもありません。
ただ事実として受け入れ、それに対してどう思うか、どう感じるかは自由ですが、「当事者」であるという感覚が必要なのです。ただコミュニケーションをとるだけであれば、それはバイリンガルではありません。
異文化を「異文化」としてではなく、自然に受け入れられて理解できる「自分のカルチャー」にする必要があります。それは、アメリカでは肉を多く食べる、などという形式的なことではないのです。
私たちが毎日和装をしないのと同じで、「文化」とはそのように尖ったものだけではありません。道を行きかう人々の足取り、日々の生活の息遣いこそがカルチャーです。
カウボーイになってみたとしても、カルチャーを自分のものにしたとはいえないのです。
「普通」のこと、「当たり前」のことを、自分のものとして理解して受け入れてこそバイリンガルといえるのです。

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